最低賃金引上げを成長のチャンスに!中小企業診断士が教える補助金活用と経営改善の具体策

最低賃金の大幅な引き上げは、中小企業の経営者にとってまさに「賃上げショック」でした。

「ここまで賃上げさせるのか!」と正直な感想です。

「このままでは人件費が経営を圧迫してしまう」
そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

しかし、国や自治体は、賃上げを後押しするために補助金・助成金・税制優遇といった複数の支援策を用意していました。

せっかくの支援策を上手に活用することで、単なる「負担」ではなく「生産性向上のきっかけ」に変えることも可能です。

この記事では、最低賃金引き上げに対応するために活用できる主要な支援策を、経営者がすぐ理解できるように要点をかみ砕いて解説します。

目次

代表的な支援策について

1. 業務改善助成金(厚生労働省)

特徴: 賃上げと同時に設備投資や業務改善を支援してくれる制度。
対象: 中小企業・小規模事業者で、生産性向上に取り組みながら賃上げを行う企業。
助成内容: 賃上げとセットで設備投資やシステム導入、研修などにかかる経費を助成。
助成率・上限額:投資額の最大4/5を助成。上限額は450万円(申請内容により変動)

ポイント経営目線
単なる「賃上げ分の補填」ではなく、効率化投資のチャンスです。

例えばレジや勤怠システムの導入、調理機器の自動化、業務フロー改善などを進めると「人件費の上昇=生産性の改善」とリンクさせられる。

2. ものづくり補助金(中小企業庁)

特徴: 設備投資を伴う大規模な事業改革に有効。
対象: 革新的な製品・サービス開発や生産プロセス改善を進める中小企業。
補助率・上限額:補助率:1/2~2/3。上限額:最大1,250万円

ポイント経営目線
単なるコストカットではなく、売上拡大と付加価値創出を狙える大きな補助金制度です。

人件費上昇を価格転嫁だけに頼らず、新商品開発や新市場開拓で「売上アップで吸収する」道を開くことが可能な補助金です。

3. キャリアアップ助成金(正社員化コース)

特徴: 非正規社員を正社員化する際に支給される。
助成額: 1人あたり57万円(中小企業の場合)
加算あり: 生産性要件を満たせば最大72万円。

ポイント経営目線
「人件費が重いのに正社員化なんて無理」と思いがちだが、実は助成金で初期コストを軽減できます。

人材定着による採用コスト削減やスキルの蓄積は、中長期的に経営を安定させる。

4. 中小企業向け賃上げ促進税制

特徴: 賃上げを行った企業に対し、法人税から一定割合を税額控除。
控除率:中小企業は最大40%控除。教育訓練費を増やすと最大45%。

ポイント経営目線
「税金で戻ってくる」ので、資金繰りへの即効性はないが、決算時に大きな効果を発揮します。

利益を出す企業ほど恩恵が大きいことになります。

将来を見据えて従業員教育に投資する企業には特に相性が良い。

まとめ

最低賃金引き上げは確かに大きな負担ですが、補助金・助成金・税制優遇を組み合わせることで十分に吸収可能です。

諦めず、挑戦する。

新たな収益構造や生産性向上を考えるきっかけにする。

攻めの姿勢に変えていくことで、賃上げショックを乗り越えましょう。

  • 短期的なコスト補填 → 業務改善助成金・キャリアアップ助成金
  • 中期的な成長投資 → ものづくり補助金
  • 長期的な利益還元 → 賃上げ促進税制

「賃上げショック」をきっかけに支援策をうまく使えば、逆に企業体質を強くするチャンスに変えられるはずです。

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