先月末(6/30)に持続化補助金の第18回公募の「公募要領」が公開されました。
申請締め切りは11月18日(金)ですので、5カ月弱の時間があることになります。
この小規模事業者持続化補助金を申請しようと考えておられる事業者の方は、早目に事業計画を見直され、本当に必要な経費なのか、ご確認をお願いいたします。
小規模事業者持続化補助金は補助上限額が50万円と他の補助金と比較しても金額が安いと言われます。
その分、手続きが簡素化されており、50万円だったとしても十分に補助金の効果が得られると思いますが、もし従業員がいらっしゃる場合は、「賃上げ特例」を適用できるように対応されるのをおススメします。
賃上げ特例の詳細についてのご紹介は今回は行いませんが、地域最低賃金の50円アップを実現できるならぜひ取り組んでみても良いのではないでしょうか。
そうすることで150万円が加算されて補助上限額は200万円に引き上げられます。
補助金額が200万円に引き上げられると、かなりの支援になるのではないでしょうか。
以下、第17回公募と第18回公募の相違点について解説いたします。
Contents
小規模事業者持続化補助金:第17回公募と第18回公募の違い
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が経営計画を策定し、販路開拓や業務効率化の取り組みを支援するための補助金です。
第17回と第18回の公募要領を比較すると、申請期間、補助事業実施期間、提出書類、加点項目などに変更点がありました。
下記に変更点を比較しましたので、解説いたします。
1. 公募期間と申請締切日の変更
公募のスケジュールが大きく異なります。
- 第17回公募
- 公募要領公開:2025年3月4日(火)
- 申請受付開始:2025年5月1日(木)
- 申請受付締切:2025年6月13日(金)17:00
- 事業支援計画書(様式4)発行の受付締切:2025年6月3日(火)
- 第18回公募
- 公募要領公開:2025年6月30日(月)
- 申請受付開始:2025年10月3日(金)
- 申請受付締切:2025年11月28日(金)17:00
- 事業支援計画書(様式4)発行の受付締切:2025年11月18日(火)
第18回公募では、全体的に公募期間が後ろ倒しになっています。
申請を検討されている方は、特に事業支援計画書(様式4)の発行依頼締切日を厳守する必要があります。
この締切日以降はいかなる理由でも発行依頼はできませんのでご注意ください。
2. 補助事業実施期間と実績報告書提出期限の変更
補助金が交付される事業の実施期間と、その後の報告書の提出期限も変更されています。
- 第17回公募
- 補助事業実施期間:交付決定日から2026年7月31日(金)まで
- 補助事業実績報告書提出期限:2026年8月10日(月)
- 第18回公募
- 補助事業実施期間:交付決定日より2027年2月26日(金)まで
- 補助事業実績報告書提出期限:2027年3月10日(水)
第18回では、事業実施期間と実績報告期限が約7ヶ月後ろにずれており、より長期的な計画に対応できる可能性があります。
3. 過去の補助金受給事業者に関する変更点
過去に「小規模事業者持続化補助金」や類似の補助金を受給した場合の申請資格について、第18回公募では対象となる補助金が追加されました。
- 第17回公募
- 「小規模事業者持続化補助金<一般型>」
- 「小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>」
- 「小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>」 上記3つの事業で様式第14「事業効果および賃金引上げ等状況報告書」が未提出の場合、補助対象外となります。
また、「一般型」で採択された場合、事業実施期間終了日の属する月の翌月から1年間が経過し、報告書の提出を完了していれば申請可能です。
- 第18回公募
- 上記3つの事業に加えて、「小規模事業者持続化補助金<創業型>」が追加されました。
- 第18回公募では、「小規模事業者持続化補助金<創業型>第1回公募又は第2回公募」との重複申請もできません。
4. 補助対象外となる事業者の追加と明確化
一部の事業者の補助対象外要件がより明確化されています。
- 個人農業者(林業・水産業者も同様)の扱い
- 第17回では「系統出荷による収入のみである個人農業者(個人の林業・水産業者についても同様)は補助対象にならない者」とされていました。
- 第18回では、個人農業者等であっても、農作物の加工や農作物を用いた料理の提供等を行う事業については、その加工や料理の提供等に必要な経費は補助対象となることが明確化されました(農作物の生産自体に必要な経費は補助対象外)。
これは、1次産業の事業者にとって新たな販路開拓の機会を広げる可能性があります。
5. 追加の加点項目:令和6年能登半島地震等に伴う加点
第18回公募では、新たに「令和6年能登半島地震等に伴う加点」が追加されました。
- 要件
- 石川県、富山県、新潟県、福井県内に補助事業の実施場所が所在すること。
- 地震被害の場合、2024年1月から2025年10月までの任意の1か月間の売上、または豪雨被害のみの場合、2024年9月から2025年10月までの任意の1か月間の売上が、前年または前々年の同期間と比較して20%以上減少したことが、地方自治体により発行された証明書等で確認できる事業者。
- 「小規模事業者持続化補助金<災害支援枠>」で既に採択を受けている場合は対象外ですが、地震被害で採択された場合は豪雨被害での加点は選択可能です。
この加点は、災害で影響を受けた事業者を重点的に支援する政策的意図を反映しています。
6. 申請システムURLの変更
申請システムのURLが変更される予定です。
- 第17回公募:
- 申請先URL:
https://www.jizokuka-portal.info/
- 申請先URL:
- 第18回公募:
- 申請先URL:「現在調整中」
申請時には、必ず最新の補助金事務局ホームページで正確なURLを確認する必要があります。
7. 見積書提出期限と価格の妥当性に関する留意点
採択後の見積書提出に関する具体的な期限と、価格の妥当性についてより厳格な注意喚起が追加されています。
- 第17回公募
- 採択発表後交付決定までに、見積書等の提出が必要とされています。
- 第18回公募
- 見積書の提出期限が「2027年1月29日(金)」と明確に設定されました。
- 提出期限までに見積書等の提出がない場合、採択が取り消される旨が明記されています。
- さらに、「金額が市場価格から著しく乖離しているなど、社会通念上価格が妥当ではないと判断される経費につきましては補助対象外となります」という注意書きが追加されました。
これは、補助金の適正な執行を一層強化する意図があると考えられます。
8. 賃金引上げ特例における賃金台帳の要件追加
賃金引上げ特例を申請する際の賃金台帳の提出要件に、歩合給制の場合の対応が追加されました。
- 第17回公募
- 「仮に事業場内最低賃金が年俸制による場合は、直近1年間の年俸総額と所定労働時間数が分かる賃金台帳の写しを提出してください。」
- 第18回公募
- 上記に加え、「歩合給制の場合は直近1年分(雇入れ1年未満の場合は雇用されてからの期間分)の賃金台帳が必要となります。」という記載が追加されました。
これらの変更点は、主に申請期間の調整、補助対象者の範囲の明確化、災害支援の強化、そして補助金執行の透明性・厳格化を図るためのものと解釈できます。
申請を検討される際は、最新の公募要領を熟読し、ご自身の状況に合わせて必要な手続きや書類を確認することをおすすめします。
この記事が参考になれば幸いです。
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