先日、オープンしたばかりの「福岡ビジネスセンター」へ行ってきました。
新しい天神のランドマークとして、ダイナミックな吹き抜け構造や洗練されたデザインが非常に印象的で、歩いているだけでもワクワクする空間が広がっています。

建築の素晴らしさに圧倒されつつ、2階・3階に入っている「ジュンク堂書店」で本を眺めていた際、ふとあることに気づきました。

「そういえば、ジュンク堂書店はここに以前あったビル(旧MMTビル)にも入っていたな」と。
さらに館内を巡っていると、もうひとつ驚くべき発見がありました。
外から入るラーメン店の「一蘭」です。
実は一蘭も、建て替え前のビルで営業していた場所とまったく同じ位置に看板を出し、地下に出店していたのです。
天神ビッグバンによるビルの建て替えという巨大な環境変化を挟みながらも、主要なテナントが旧ビル時代と同じ場所(同じフロアやポジション)で再び暖簾を掲げている。
この光景を目にして、一顧客として「粋だな」と感じると同時に、深い気づきを得ました。
「あの場所に行けばある」という顧客記憶(アンカー)の価値

店舗経営において、立地は単なる不動産スペックではありません。
長年営業を続けることで「天神のあのビルのあそこに行けば、本が買える・ラーメンが食べられる」という強い記憶(認知のアンカー)がお客様の中に形成されます。
数年の工事期間を経ても同じ位置に出店することは、積み重ねてきた顧客との信頼や認知という資産を最大限に活かす合理的な戦略です。
ビルオーナーとテナントの強力な信頼関係
再開発において、一度退去したテナントが同じ場所に戻ってくることは、決して当たり前ではありません。
双方にとって納得のいく事業条件が整い、なおかつ「この場所にこの店が戻ってくることが、ビル全体の価値を高める」という強い相互信頼がなければ成立しない選択です。
環境が変わっても揺らがない「核」を持つこと

ビジネスを取り巻く環境は常に変化します。街の姿が変わり、最新のビルへ建て替わったとしても、事業の本質的な価値(=この場所で選ばれ続ける理由)が明確であれば、形を変えて同じ場所で挑戦し続けることができます。
私たち中小企業や店舗経営にとっても、時代や環境の変化に合わせて柔軟に姿を変えつつも、お客様とのつながりや事業の「核」を守り続けることの大切さを、新しくなった天神の地で改めて実感しました。
天神にお出かけの際は、新しくなった空間を楽しみつつ、変わらない街の賑わいを支える店舗の姿をぜひ体感してみてください。


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