日本商工会議所は2026年2月、リテールマーケティング(販売士)検定試験の科目体系を大幅に見直すことを発表しました。
少し先ではありますが、これから受験を考えている方にとって、学習の負担が軽減される朗報です。
変更内容とスケジュールについて、わかりやすく解説します。
なぜ今、科目体系が変わるのか?
現在の科目体系は約20年前に確立されたもので、小売・流通業界を取り巻く環境は大きく変化しています。
SNSマーケティング、ネットショッピング、セルフレジや無人店舗など、デジタル技術の進展により現場で求められる知識も様変わりしました。
また、受験者からは「5科目は多くて負担が大きい」「試験範囲が広すぎて学習が大変」という声が多く寄せられていました。
こうした状況を踏まえ、時代に合った内容へのアップデートと、受験者の学習効率向上を目的として、今回の見直しが実施されることになりました。
何が変わるの? 5つの科目が4つに統合
【現行の5科目】
- 小売業の類型
- マーチャンダイジング
- ストアオペレーション
- マーケティング
- 販売・経営管理
【新体系の4科目】
- 流通概論(旧:小売業の類型)
- マーケティング(旧:マーケティング)
- マーチャンダイジング(旧:マーチャンダイジング+ストアオペレーション)
- リテールマネジメント(旧:販売・経営管理)
特に注目すべきは、「マーチャンダイジング」と「ストアオペレーション」が統合される点です。
これにより科目間の内容重複が整理され、より効率的な学習が可能になります。
試験の配点・問題数はどう変わる?
科目数が減っても、総問題数は100問で変わりません。
ただし、配点と各科目の問題数が調整されます。
【配点】
- 現行:1問5点×100問=500点満点
- 新体系:1問4点×100問=400点満点
【問題数】
- 現行:1科目20問×5科目=100問
- 新体系:1科目25問×4科目=100問
試験方式(ネット試験・CBT方式)、試験時間(1級90分、2級70分、3級60分)、合格基準は変更ありません。
いつから新しい試験になるの? 段階的移行スケジュール
新体系への移行は、3級→2級→1級の順に、3年かけて段階的に実施されます。
【3級】
- 2027年2月:新ハンドブック発刊
- 2027年7月~:新体系試験開始
- ※現行ハンドブックからの出題は2027年6月まで
【2級】
- 2028年2月:新ハンドブック発刊
- 2028年7月~:新体系試験開始
- ※現行ハンドブックからの出題は2028年6月まで
【1級】
- 2029年2月:新ハンドブック発刊
- 2029年7月~:新体系試験開始
- ※現行ハンドブックからの出題は2029年6月まで
これから3級を受験する方は、2027年6月までに受験すれば現行の体系で受験できますが、7月以降は新体系での受験となります。
学習計画を立てる際は、このスケジュールを必ず確認しましょう。
【重要】1級受験者は要注意! 科目合格制度の移行ルール
1級には科目合格制度があり、合格した科目は翌年度末まで有効です。
新体系移行期(2028年度)には、特別なルールが適用されるので注意が必要です。
【科目合格の引継ぎルール】
- 「小売業の類型」の合格→「流通概論」として適用
- 「マーケティング」の合格→「マーケティング」として適用
- 「販売・経営管理」の合格→「リテールマネジメント」として適用
【最も注意が必要なケース】
「マーチャンダイジング」と「ストアオペレーション」が統合されるため、2028年4月~2029年6月の間に両方の科目に合格している場合のみ、新体系の「マーチャンダイジング」として科目合格が適用されます。
どちらか1科目しか合格していない場合は、新体系では科目合格制度を利用できません。
1級を計画的に取得したい方は、この点を考慮して受験計画を立てることをお勧めします。
2級・3級の科目免除制度も継続
2級・3級には養成講習会や通信教育講座の受講による科目免除制度がありますが、これは新体系でも継続されます。
【3級の科目免除】
- 養成講習会・通信教育受講者:「リテールマネジメント」(1科目)免除
- 商業経済検定合格者:「マーケティング」(1科目)免除、または「リテールマネジメント+マーケティング」(2科目)免除
【2級の科目免除】
- 養成講習会・通信教育受講者:「リテールマネジメント」(1科目)免除
まとめ:これから受験する方へ
今回の改訂は、受験者の負担を軽減しながら、現代の小売・流通業界で必要とされる知識を効率的に学べるように設計されています。
科目数が減ることで学習の焦点が絞りやすくなり、デジタル対応など最新トレンドもしっかりカバーされる内容になります。
これから受験を考えている方は、自分が受験する級とタイミングを確認し、どちらの体系で受験するのが最適か検討してみてください。
新ハンドブック発刊前後は情報が更新されますので、日本商工会議所や日本販売士協会の公式サイトで最新情報をチェックすることをお勧めします。
参考リンク
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